チーム医療の発展

医師の勤務の過酷さ、その度合いは様々か思いますが、病院勤務とりわけ急性期病院で深刻な問題となっているように見受けられます。そのような病院で働く医療スタッフは、看護師・薬剤師といった広く一般的に知られる職種をはじめとして国家資格認定のもとで業務を行うスタッフは20種類近くにまでのぼります。そしてそのほとんどの種類で、近年大幅にマンパワーの強化が行われています。

例えば、看護職(看護師・保健師・助産師・准看護師)の就業者数は100万人を超え、且つ毎年3万人というペースで増加していっています。また、リハビリテーション業務に携わる理学療法士はこの10年ほどで倍にまで増加しているのです。そして作業療法士も同様に10年間で6万人なっています。これだけのペースの増加ともなれば、当然それなりの専門性が強化され、知識においても技術においてもレベルは向上していくと考えられます。

そして、多職種間のチームワークが今後の医療提供において重要なカギになるとされていて、既に医師業務の分担が進められつつあります。医師の事務的な業務を支援する各種の職種の養成も軌道に乗りつつありますし、今後このような職種の担う役割が拡大していけば医師の業務をより多く分担できるようになると期待されます。従来の医師が行ってきた業務に加え、医療安全の確保・院内感染の防止・患者に対する説明・外部への広報活動・各種文書業務・病院経営に関する会議など医師の業務はまだまだ拡大の一途をたどっています。それを何から何まで負担し全部医師が抱え込んでしまうという方法は、教育を受け修練を積み上げてきた医師の能力を充分に発揮できないと言えるでしょう。それぞれの職種が最大の能力を発揮できるような医療体制が求められています。