本検査は、梅毒を起こす病原微生物であるトレポリマーネ・パリダム(スピロヘータ・パリダ)に感染していないか否かを検査するものです。梅毒は胎盤を通じて母から子へと感染する事もあります。この事を受けて、本検査は梅毒の疑いがある時だけでなく、妊娠時や手術前などで感染を予防する目的でも用いられています。
この梅毒血清反応検査では大きく分けて2つの方法があります。1つは、カルジオピリンという試薬を抗原として血清の中の抗体反応するかどうかをみる方法で、ワッセルマン反応やガラス板法、緒方法・RPR法などがありSTSと総称されます。
そしてもう1つは、梅毒の病原体であるトレポリマーネ・パリダムを抗原として、それを血清に混ぜて反応をみるというTPHAです。STSは梅毒以外の全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチ・妊娠時・細菌感染などでも陽性となる事があり、スクリーニング検査(病気のふるい分け)として利用されます。
TPHAは確定診断に利用されますが、治ったあとでも陽性となる為、STSとともに用いられます。STSが陰性であっても、そのまま梅毒に感染していない事にはなりません。感染後4週間以内では、仮に感染していてもSTSは陰性と出ます。このような時には、時期を遅らせて再検査をしたり、臨床的に判定します。